「アーティスト」

サイレント映画の全盛期からとトーキーへと移り変わってゆく時代。
この時代は演じる役者にしても、観る観衆側にしてもかなり大きな変化だったでしょうね~~!
ストーリー自体はよくあるものでしたけど、すべてのシーンにおいて
アギー(名前は映画の中では一切出てこないのですけど)という
ジャックラッセルテリアのワンちゃんが大活躍で、この子が何とも一番のスパイスになっていました

The Dog(犬役)のアギー
本当に演技力の抜群な素晴らしいワンちゃんでした。
絶えず主人のスター(ジョージ)に寄り添って、どこに行くのも映画を撮る時も観るときも
常に傍らに寄り添っていて、健気。

主人の気持ちをこのワンちゃんがすごく理解していて見事に態度で表しているんですよね。
主人が困って申し訳ない気持ちになっている時は、ちゃんと隣で、地面に頭をこすり付けて
「ごめんね、ごめんねー!」ってやってる(笑)
バーン!と打つふりをしたら死んだふりもお手の物!
もうどんなシーンにもこの子がいて大活躍でした。
そんな彼(彼女?)も悲しい過去があって、最初の飼い主には捨てられているそうです。
でも運よく次の方(動物訓練士だったかな)が飼い主として現れて、命が繋がった所か
こんな役者犬として大活躍というからなお感心してしまいます。
カンヌ映画祭パルムドック賞も受賞しているそうです!>▽<!あっぱれ!
いい方に救われて本当に良かったなぁ!
映画の話に戻りますが、サイレント映画って言葉に頼らない分身振り手振り顔の表情のみで観衆に
ストーリーを伝えていかなければならないから、よっぽどの演技力、表現力がないと役者としては
成り立たないわけですが、
一方トーキーは言葉がある分ストレートに伝わってくるから逆に身振り手振りまた顔の表情を大仰にやると暑苦しくなってくる。
演じ方が全く変わってくるわけですよねー。
当時の役者は、悩んだやろうなぁー。それこそサイレントの花形スターであればそこに並々ならぬプライドや誇りがあるから。
でも、健気なワンちゃんの活躍などで本当温かい気持ちになる作品でした。
正直普通の音が出る映画に慣れている私には、最初セリフが聞こえないという状況に
最初こそストレスを感じたのですが、だんだん観ていくうちに引き込まれていきました。
セリフが聞こえてこないから、動作すべてに演じる役者の人柄すべてが見えてくるような気がするからかな。
芸術的な作品、ふつうの娯楽映画とは全く違う作品でした。
さすが、アート、アーティスト!ですねー^^♪
最後になりましたが、ジョージ役のジャン・デュジャルダンのとろけそうな笑顔、タップダンス無駄のない動作すべて素敵でしたし、ペピーミラー役のベレニス・ベジョもとってもキュートで可愛かったです^^♪